弥谷寺(IYADANIZI)
ご本尊 千手観世音菩薩
本堂は弥谷寺山上に位置し、岩壁に囲まれるように建っています。岩壁には修行僧により刻まれた摩崖仏が点在しています。
千手観音は千の手で人々を救済するとされ、聖武天皇の勅願により天然痘平癒のため行基が寺院を創建した事から病に霊験があると信仰されてきました。
奥之院 獅子之岩屋
大師堂の堂内奥にあり、岩屋の入口が獅子口に見える事から獅子之岩屋と呼び、獅子により修行の妨げとなる病や煩悩といった諸魔を祓うとされます。
奥之院本尊は三尊の石仏(父君・母君・弘法大師)。岩肌には摩崖仏が修行僧(伝・空海)により刻まれています。
弘法大師修学所
弘法大師幼少の折、明星之窓(岩屋右奥)の光で学問修行に努められ、のちに唐から持ち帰った金銅の五鈷鈴を納められました。
五鈷鈴は修法で用いる密教法具で、鈴の音で諸仏を感嘆させ、修行の妨げとなる魔を祓うとされます。大師が納めた寺宝の五鈷鈴は、唐時代に鋳造された密教法具で正式には「金銅四天王五鈷鈴」と呼び、国の重要文化財に指定されています。
願掛け地蔵(お水まつり)
水場の洞窟が、須弥山や浄土と呼ばれる神仏の世界への入口と信仰され、修行僧により刻まれた磨崖仏が残されています。
水場之洞で経木を洗いお願いするとお地蔵様がその願いを神仏の世界に届けてくれるともいわれ、「お水まつり」と呼ばれています。
護摩堂(ごまどう)
護摩木を火にくべ祈祷するためのお堂です。不動明王、愛染明王、地蔵菩薩がまつられています。
金剛拳菩薩(こんごうけんぼさつ)
十六大菩薩の最後に位置し、成就を司るといわれます。弥谷寺では「かなぶつさん」と呼ばれ信仰されてきました。元禄年間に20年かけ鋳造され、全国的にも非常に珍しい仏様として知られます。
本堂
獅子之岩屋(大師堂内)
水場の洞窟
護摩堂(不動明王・愛染明王・地蔵尊)
願掛け地蔵
五鈷鈴(唐代)